開院10周年によせて 師長 助産師 川端真由美

アンジュレディースクリニックが2025年6月1日で開院10周年を迎えます。

 

院長先生はじめ幸子さん、閨谷先生はじめ全てのアンジュに関わるスタッフの人柄や頑張りが良いサービスとなり、患者さんから選んでもらえる県内トップレベルの産婦人科になったと、自負しております。

前職のJHCO金沢病院が産婦人科を閉鎖するタイミングでこちらの助産師募集があり、お世話になることが決まった送別会で金沢病院のメンバーに「金沢1の産科クリニックになります」と大口を叩いていたことが有言実行されたことは私の数少ない自慢の一つです。私の手柄でもありませんが。

 

思い起こせば、10年前、北陸新幹線開業の1か月後、アンジュはスタートしました。

スタートメンバーでどのような形で外来をするか、産後のサービスはどのようなものを入れるかなどゼロからわいわいと意見を出し合い、調整をしていたことが、昨日のことのように思い起こされます。

 

いまでこそアンジュのごはんはおいしくってかわいいと生の口コミから、ごはんでアンジュを選んでくれる人も多いのですが、最初のころは迷走していたと思います。味は一貫してよかったのですが、院長先生からの要望で、とりあえずお金はかかってもいいからおいしいものを!と言われ、フォアグラのコロッケが出たときもありました。

とんでもごはんが出るたびに、幸子さんが、栄養部の皆さんと意見を出しながら、開業3ヵ月ぐらいから安定した「café飯風」や「料亭ごはん」を彷彿させる今の満足度が高いスタイルになったと記憶しています。

 

福利厚生の一環で夜勤と日直は看護部が患者さんと同様なご飯を試食できることで、常においしいご飯を食べることができ幸せです。(おいしいのものに舌が慣れたせいか、ごはん屋さんの評価が厳しくなった弊害がありますが)

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助産師外来という形も外来、病棟が分断していると、「お産での出会いが初めまして!にならないようにしたい」という院長先生の要望にこたえたものとして始まりました。

毎回、健診のたびに助産師から支援を受けることができ、患者さんからも好評です。

最近、うちの姪が妊娠し外来でお世話になっていますが、開業10年を経過しても、先生方の待ち時間を少なくしてあげたい姿勢、それでいてゆっくり丁寧にかかわってくれる姿勢に大感激しています。

若い子のことばなのでよく「神だわ」なんて聞き、にやにやしている次第です。健診ごとの3D4Dの鮮明さにその子の親はびっくりしていましたが。

 

「コロナウイルス」が猛威を振った3年間も、スタッフ一丸となって乗り切りました。未知のウイルスであり最初のころは感染対策の要のマスクが売っていない事態になり、高額転売された50枚入り5000円のマスクを 安全には変えられないと院長先生が購入してくれたことを覚えています。感染対策勉強会をしながら、コロナ陽性患者の分娩を県内のクリニックの中では一番たくさん受け入れたのではないでしょうか。PPEとかフルPPEとか言いながら介助している自分も脱水状態になるかもしれないと思う感覚との闘いは良い思い出です。

 

コロナウイルスの影響で感染対策が強化され、分娩・入院生活もコロナ前後で変化しています。今は感染対策しながら、可能な限りコロナ前に近いサービスに戻っていると思いますが、全てが元通りになる日はもう少しかかりそうです。

 

10年を振り返るといい上司、いいメンバーに囲まれて気持ちよく仕事ができたかなと思います。開業スタートメンバーが11年目でもまだ数名在籍しているということが、働き続けることができるスタッフにもやさしい病院の証明にもなっていますよね。

 

20周年を迎える頃には私は引退していますが、県内トップクラスで活躍しているクリニックでいることと信じて末筆とします。

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